大型放射光施設 SPring-8

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第5回X線自由電子レーザーシンポジウム 「日本発・実用X線レーザーで拓く科学と未来」をテーマに開催 -X線自由電子レーザーによるイメージングや製薬への期待など幅広く論議-(プレスリリース)

公開日
2009年11月19日
  • XFEL
独立行政法人理化学研究所と財団法人高輝度光科学研究センターは、文部科学省と共催で、「日本発・実用X線レーザーで拓く科学と未来」をテーマに、第5回X線自由電子レーザーシンポジウム」を2009年11月27日(金)午前10時から品川インターシティホール(東京都港区)で開催します。

2009年11月19日
独立行政法人理化学研究所
財団法人高輝度光科学研究センター

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)と財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI、白川哲久理事長)は、文部科学省と共催で、「日本発・実用X線レーザーで拓く科学と未来」をテーマに、第5回X線自由電子レーザーシンポジウム」を2009年11月27日(金)午前10時から品川インターシティホール(東京都港区)で開催します。
 X線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free-Electron Laser)は、文部科学省の策定した第3期科学技術基本計画の中で、5つの国家基幹技術の1つとして位置付けられ、理研とJASRIが共同でXFEL計画合同推進本部を組織し、2011年度の供用開始を目指して開発しています。XFEL施設は、大型放射光施設SPring-8※1に隣接して建設しており、現在、加速器棟や光源棟といった主要施設が完成するなど順調に整備が進んでいます。XFELは、SPring-8のX線に比べて10億倍の明るさで、10兆分の1秒(100フェムト秒※2)の極短パルスの、完全に位相のそろった最短波長0.06ナノメートル※3のX線を創り出します。これにより、これまで不可能であったフェムト秒領域の原子の世界を映し出すことが可能になります。基礎研究から産業応用に向けての研究開発まで、世界に先駆けて革新的な成果を創出することが期待できます。具体的には、がんやエイズなどの難病に対する特効薬の開発、低炭素社会実現に向けた環境技術に役立つ研究開発など、ライフサイエンスやナノテクノロジーの分野を含めた幅広い分野での発展が見込まれます。
 シンポジウムでは、XFELとは何か、XFEL計画の現状、XFEL利用推進に向けて実施している研究課題の具体的な成果などを積極的に発表し、ユーザー層の裾野の拡大や産業界との連携などを推進します。また、今後XFELをどのように使い、いかにしてインパクトのある研究成果を創出していくかなど、 XFELの未来について議論します。今回のシンポジウムでは展示コーナーを設け、第一線の研究者や協力企業の開発者たちによる装置などについての解説も行います。

シンポジウム概要
日  時:2009年11月27日(金)10:00 ~ 17:20
会  場:品川インターシティホール(東京都港区湊南2-15-4)
            品川駅港南口より品川インターシティスカイウェイ(歩行者専用通路)にて徒歩5分
主  催:文部科学省、理化学研究所、高輝度光科学研究センター
定  員:500名、専用ウェブページから要事前申込
対  象:光科学技術関係者のみならず、他分野の研究者や産業界、また一般の方
参加費:無料
シンポジウム専用ウェブページ:http://www.kuba.co.jp/XFEL05/

プログラム:
● 午前の部 ●
10:00~10:15   主催者等挨拶
10:15~10:40   1.広がる未来
                               X線自由電子レーザー計画合同推進本部
                               利用グループ ビームライン建設チームリーダー 矢橋 牧名
10:40~11:10   2.施設建設の進展
                               X線自由電子レーザー計画合同推進本部
                               加速器建設グループ 主加速部チーム 稲垣 隆宏
11:10~11:40   3.世界情勢と将来展望
                               X線自由電子レーザー計画合同推進本部
                               加速器建設グループ 光源チームリーダー 田中 隆次
11:40~13:20   (休憩+展示)

● 午後の部 ●
13:20~13:35   X線自由電子レーザー利用推進協議会の活動と利用研究の展望
                               XFEL利用推進協議会 主査:プログラムディレクター 太田 俊明
13:35~14:00   XFEL光と先端レーザー光による原子・分子・クラスターのポンプ・プローブ計測
                               東京大学 教授 山内 薫
14:00~14:25   XFELによるイメージング技術開発に向けた最近の進展
                               京都大学 教授 松原 英一郎
14:25~14:50   XFELの光学系・制御系に関する基礎技術
                               大阪大学 教授 山内 和人
14:50~15:10   (休憩)
15:10~15:35   XFELによる生体分子構造決定に向けた理論構築とシミュレーション
                               日本原子力研究開発機構 グループリーダー 河野 秀俊
15:35~16:00   X線自由電子レーザーは細胞生物学に何をもたらすか
                               慶應義塾大学 教授 中迫 雅由
16:00~16:30   製薬からのXFELへの期待と要望
                               第一三共株式会社 研究開発本部
                               探索第一研究所 第四グループ長 半沢 宏之
16:30~17:00   超ペタフロップス級コンピュータとX線自由電子レーザー(XFEL)の連携により実現する生物学の発展
                               理化学研究所 基幹研究所
                               杉田理論生物化学研究室 准主任研究員 杉田 有治
17:00~17:15   総括質疑
                               X線自由電子レーザー計画合同推進本部
                               プロジェクトリーダー 石川 哲也

※ 取材申し込み方法
報道関係者には別途席を用意します。取材をご希望の方は、1125日(水)までに必要事項(貴社名、ご芳名、取材日時、電話番号、E-mail アドレス)を以下担当(馬塚)までE-mail などにてご連絡下さい。


《用語解説》

※1 大型放射光施設SPring-8
 兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高の放射光を生み出す理化学研究所の施設で、その管理運営はJASRIが行っている。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8GeVに由来。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、電磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のこと。SPring-8では、この放射光を用いて、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われている。

※2 フェムト秒
 フェムト秒とは時間の単位で、1フェムト秒は1,000兆分の1秒を表す。1秒間に地球を7周半進む光のスピードでも、1フェムト秒の間には0.3ミクロンしか進めないほどの短時間。XFELは、フェムト秒程度の短い瞬間に、ストロボのようにX線を発生させることができるため、これまで直接見ることができなかった超高速の原子や電子の動きも、スローモーションの映画のように見えてくると期待されている。

※3 ナノメートル
 10億分の1メートルが1ナノメートル。ほぼ原子の大きさに匹敵する。


(問い合わせ先)
 理化学研究所 X線自由電子レーザー計画推進本部
 担当:馬塚(まづか)
  TEL:0791-58-0900  FAX:0791-58-0800 
  E-mail:メール

(シンポジウムに関する問い合わせ先)
 株式会社クバプロ内 シンポジウム事務局
  TEL:03-3238-1689  FAX:03-3238-1837 
  E-mail:メール

(報道担当)
 独立行政法人理化学研究所 広報室
  TEL:048-467-9272  FAX:048-462-4715

(SPring-8に関すること)
 財団法人高輝度光科学研究センター 広報室
  TEL:0791-58-2785 FAX:0791-58-2786
  E-mail:kouhou@spring8.or.jp

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