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東京大学大学院理学系研究科の濡木理教授が2018年春の紫綬褒章を受章(トピックス)

公開日
2018年05月08日
  • 受章

SPring-8の利用者である東京大学大学院理学系研究科・理学部 生物科学専攻の濡木理教授が、学術・芸術・スポーツ分野で著しい業績を挙げた功労者に授与される紫綬褒章を受章されました。

受章者(所属):濡木 理(東京大学大学院理学系研究科 教授)

濡木理教授写真

業績・研究内容:
 濡木教授は、生体内で重要な機能を担うタンパク質のX線結晶構造生物学に長年に渡って取り組み、数々の素晴らしい業績を残して来られています。特に、脂質二重膜に局在する輸送体タンパク質や、ゲノム編集技術として名高いCRISPR-Casに関する業績は、今後、創薬や疾患治療に繋がる可能性を秘めており、国内外の生命科学研究領域に大きなインパクトをもたらしています。通常、輸送体タンパク質は脂質二重膜に埋め込まれた状態で機能するため、高品質な結晶を得ることは困難であるといわれていましたが、濡木教授は脂質キュービック法などを世界に先駆けて取り入れることによってその問題をいち早く解決しました。最近では同じく膜局在型タンパク質であるGタンパク質共役受容体の結晶構造にも成功されています。CRISPR-Casに関しては、Cas9やCas12aの複合体構造を世界で初めて解明したのみならず、Casが標的DNA配列を認識、切断に至るまでの反応過程において重要なアミノ酸を同定、それらに変異を導入することによって応用性の高いCasの構築にもチャレンジされています。

東京大学 大学院理学系研究科HPより引用


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