大型放射光施設 SPring-8

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SPring-8 Seminar (第219回)

副題/演題 1Gfpsのビデオカメラの開発を目指して
開催期間 2013年02月27日 (水) 14時00分から15時00分まで
開催場所 上坪講堂
主催 (公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
形式 レクチャー(講演)
概要

Speaker : 江藤 剛治

Language : 日本語

Affiliate : 立命館大学 総合科学技術研究機構 客員教授

Title : 1Gfpsのビデオカメラの開発を目指して

Abstract :
1991年に当時世界最高速の4,500枚/秒のビデオカメラ(PHOTRON FASTCAM第一世代、KODAK EKTAPRO HS4540)を開発して以来、ビデオカメラの撮影速度記録を更新してきた。2002年には100万枚/秒(SHIMADZU HPV1&2)、2011年には1,600万枚/秒の超高感度撮像素子を発表した。理論的にはシリコン半導体で1Gfpsの撮像素子を開発することが可能である。これらの撮像素子の開発の経緯と撮影例、および将来展望を紹介する。
【開発した新技術】
(1)100万枚/秒の画素周辺記録型撮像素子(2002年)1):各画素に103個のエレメントを持つ直線CCDを作り込み、全画素一斉に画像信号を記録した。この素子はCCDメモリを遮光していたので開口率が約15%であった。
(2)1,600万枚/秒の裏面照射撮像素子(2011年)2):裏面照射であり、かつ読み出し部にEM-CCDを搭載しているので超高感度である。通常の裏面照射撮像素子では、表面側にアナログメモリを作り込むとメモリへの入射光の到達と生成した信号電荷の侵入により疑信号を生成する。これを防ぐために厚いn-/p-の2重エピ層を持つウエーファを開発し、表面側からp-wellを作り込んでその中にCCDメモリを作り込むという構造を実現した。入射光と信号電荷の迷入から保護されたp-well中には様々の機能性回路を作り込むことができる。この技術と、SOIを使った高機能撮像素子の製造技術との併用も可能である。
(3)1Gfpsを目指す撮像素子:上記の技術を使うと、各画素の中央部に複数の電荷収集ゲートを設け、これらを順次駆動して電荷を収集し、他の電荷収集ゲートで電荷を収集する間に信号電荷をメモリに転送することができる。これにより、現在の技術で1億枚/秒(100Mfps)以上を実現することができる。近い将来1Gfpsも達成できると予想される。
[参考文献]
1)Etoh, et al, A CCD image sensor of 1,000,000 fps for continuous image capturing more than 100 consecutive frames, ISSCC2002, 45, 46-47.
2)Etoh, et al, A 16 Mfps 165 kpixel backside-illuminated CCD, ISSCC2011, 54, 406-407.

担当者 : 豊川 秀訓
Mail : toyokawa@spring8.or.jp
PHS : 3865

問い合わせ先 JASRI 研究調整部 研究業務課 SPring-8セミナー事務局 垣口 伸二、吉川史津
0791-58-0949
0791-58-0830
spring8_seminar@spring8.or.jp
最終変更日 2015-05-01 15:11