大型放射光施設 SPring-8

コンテンツへジャンプする
» ENGLISH
パーソナルツール
 

SPring-8 セミナー先端シリーズ 健康科学・技術最前線 (第5回)

主題/内容 医学分野におけるX線CTの進歩
開催期間 2006年06月21日 (水)
開催場所 普及棟講堂
主催 (財)高輝度光科学研究センター
形式 レクチャー(講演)
分野 生命科学
概要

近年、健康に対する意識の高まりのなか、健康に関連した科学・技術の発展の素晴らしさは、皆さんご存じの通りです。新しい健康科学・技術には、物理的技術と、生物学的技術のそれぞれの進展から生まれたものがあり、どちらにも革新的な進歩が見られます。本シリーズでは、両方面における新しい技術に着目し、それぞれの専門家の方をお招きして解説して頂きます。健康科学が現在どこに向かおうとしているか、それが社会的にどんなインパクトを持つのかを把握できるシリーズになると思います。

This talk will be given in Japanese.

日   時 : 2006年6月21日 14:00-15:00
Date: June 21, 2006 (14:00-15:00)

場所:普及棟中講堂
Place: Public Relations Center

講演者 : 辻岡 勝美
Speaker: Dr. Katsumi TSUJIOKA
所   属 : 藤田保健衛生大学衛生学部
Affiliation: Fujita CT Laboratory in faculty of Radiological Technology

講演要旨:
 X線CTは1973年にイギリス人のG.W.Hounsfieldにより開発されました。従来のX線写真は影絵のようなもので三次元の被写体を二次元のフィルムに写し込むというものでありましたが、CTでは目的の断層面を画像再構成により画像化し、それを複数得ることで病巣構造の三次元的な理解が可能となりました。また、X線CTは従来のアナログ画像をデジタル画像に変えたことでも注目すべき装置でもありました。しかし、その後、MRIの登場によりCTの進歩は終わったようにも思われました。そして、そのころ1980年代後半に開発されたのがヘリカルスキャンです。ヘリカルスキャンは患者寝台を一定速度で移動させながら連続してデータ収集(スキャン)を行うもので、螺旋スキャンとも呼ばれています。ヘリカルスキャンにより短時間に連続性の優れたCT画像を得ることが可能となりました。その後、従来は1列であった検出器を複数列にしたマルチスライスCTも開発され、スキャンの短時間化、画像の高分解能化はさらに進化しました。このような技術の進歩は三次元表示の実用化、造影剤注入技術の進歩となり大きく臨床で利用されるようになりました。今回の講演では、X線CT装置の原理からヘリカルスキャン、マルチスライスCTの開発、臨床での利用状況などについて解説します。

世話人: 八木 直人 (JASRI 利用研究促進部門 PHS: 3852)
Organizer: N.Yagi (PHS 3852)


今後のスケジュール

SPring-8セミナー先端シリーズについて:
「SPring-8セミナー先端シリーズ」は、SPring-8利用に結び付くような特定のテーマについて、外部から講演者を招いてシリーズ化して実施するものでSPring-8スタッフ等に将来的な放射光利用の共通認識を持つことを目的とする。

問い合わせ先 垣口 伸二、笠原 尚美 (財)高輝度光科学研究センター 研究調整部
0791-58-0839

spring8_seminar@spring8.or.jp
最終変更日 2019-11-22 09:11